コロナ禍で暴かれた、フリーランスやダブルワーカーの致命的な問題点

ギグ・エコノミーはオワコンか?

ほんの少し前まで「これからの働き方」として脚光を浴びていたギグ・エコノミー(ギグ=単発の仕事をネットを通じて受注する働き方のこと)。ところが新型コロナウイルスの流行により、その脆弱性がさらけ出された。もちろん、Uber Eatsのようにコロナ禍の中で成長したギグ・エコノミーも存在するが、その継続性には疑問が持たれているものも少なくない。さまざまな問題を考慮すると、ギグ・エコノミーの隆盛は早くも終焉を迎えたのだろうか。

ギグ・エコノミーは大きく2種類に分類される

 ギグ・エコノミー、ギグ・ワーカーという言葉がポピュラーになったのは恐らく2016年頃と思われる。世論調査会社、ギャロップによると2018年の時点で何らかの形でギグ・ワーカーとして働いていると答えた米国人は36%に上っていた。内訳を見ると、フルタイムの仕事をしながらサイドワークとして働いている人が24%、パートタイム・ワーカーでは49%がギグ・ワークに携わっていた。人口にすると、米国ではおよそ5700万人だ。

 ただし、ギャロップではギグ・ワーカーには2通りのものがあるとしている。

 1つは独立したギグ・ワーカー、すなわちフリーランスと呼ばれる働き方をしている人々だ。小規模の起業をしている人、映画などのエンターテインメント産業で働く人、IT関連などが多い。もう一つは偶発的ギグ・ワーカーと呼ばれる、生活のためにダブルワークをしたり、あるいは正規の雇用が得られるまでのつなぎとして働く人々を指す。ここにはUberなどのライドシェアのドライバーなどが含まれる。

 ギャロップがそれぞれのギグ・ワーカーと普通に雇用されている人々の職に対する意識をまとめた表が興味深い。

 「自分の職場に属している意識」「仕事への情熱」「自立性と権威」「クリエイティブ・イノベーティブ」「フィードバックの受け取り」「管理されたパフォーマンス・メトリック」「目標設定の共有」「安定と安心」「報酬への動機づけ」「報酬への満足度」「ヘルシーなワークライフバランス」「時間の融通」「柔軟性」というすべての項目において、独立系ギグ・ワーカーの数値が最も高い。

 唯一伝統的なワーカー(一般的な雇用者)が高いのは「報酬のタイミングと正確さ」であり、サラリーを確実に受け取れることが雇用されるメリットであることが明らかだ。一方で偶発系ギグ・ワーカーはすべての数値が低めになっている。

2種類のギグ・ワーカーと伝統的なワーカーの各項目に対する満足度(2018年8月実施調査)
 つまり、そもそもとして、ある程度能力があり、独立して好きな時間に働き、それなりの報酬を得ることができるギグ・ワーカーと、生活のために仕方なく行うギグ・ワーカーの間には大きな差があったことになる。

コロナ禍で最もダメージを受けたのはギグ・エコノミー

 しかし、ここで興味深いのは、このどちらもコロナウイルスにより大きな打撃を受けているという点だ。

 まず、両者とも雇用されていないという点で失業保険の申請などが不利になる。多くが個人事業主であり、店舗などを構えていることがまれであるため、小規模ビジネス向けの低金利ローンなども申請しにくい。健康保険についても雇用者が提供する保険を持たないため、中には無保険のままの人もあり、コロナウイルスに罹患(りかん)した場合の医療費が高額となる。疾病休暇などにも当然、該当しない。

 もちろん、一部のギグ・ワーカーはコロナウイルスにより仕事が急増している。Uber Eatsなどの食品デリバリー、アマゾンその他のデリバリーの個人請負、さらにスーパーマーケットやウォルマートなどの一部小売店の臨時職員などだ。

 ただし、これは一時的なもので、ロックダウン緩和が進み、レストランなどが再開されれば食品デリバリーの需要は激減すると考えられる。一般デリバリーは米国ではネットショッピングが急増したため遅延が生じるなど、今後も需要が見込まれるが、徐々にドローンや自動運転によるデリバリーが普及すればやがてその需要も消滅するだろう。スーパーの臨時職員も同様だ。

 WEF (World Economic Forum)によると、コロナ禍で最もダメージを受けたのはギグ・エコノミーという。対象は米国だけではなく世界中だが、68%もの人が「収入を失った」と回答した。また仕事そのものを失った人は52%、仕事はあるが働く時間が大幅に減少した、という人が26%。そして全体の89%が「あらたな収入源を求めている」としている。しかもある程度の蓄えがある、と答えた人は23%に留まっている。

増えたギグ・ワーク、減ったギグ・ワーク

 AppJobs が行ったギグ・エコノミーについての調査では、今年の2月9日を起点としたさまざまなギグ・ワークの推移が見て取れる。3倍以上に増えたのがオンライン調査とデリバリー、ほぼ横ばいなのがドライビング(ライドシェアなどを含む)、一方で激減しているのはベビーシッター、ハウスクリーニングなどだ。自粛で他人を家に入れることができなくなったため、他人の自宅で行う業務はほぼ壊滅状態に陥ったと言える。

 ではコロナ後のギグ・エコノミーはどのように様変わりするのか。確実に言えるのは、オンラインベースの職業への需要は今後ますます高まるということだ。コロナ禍の中で業績を伸ばしたものに「オンライン医療アプリ」「デリバリーアプリ」がある。

 自分の症状が新型コロナに当てはまるのかどうかをAIが診断するアプリは大ヒットしたし、これまでデリバリーに対応していなかったレストランが次々に参入したことでフードデリバリーアプリが乱立した。また多くの人がオンラインショッピングに頼ったことで、Eコマース系アプリの開発も進んだ。

 ゲーミング産業もコロナの恩恵を受けたものの一つだ。人々が外出自粛で自宅で過ごすことが多くなり、ゲームの売れ行きが伸びたこと、そしてeスポーツがその性質上コロナ禍の中でも継続し、放映の機会が増えたことにも注目が集まる。

 たとえばELS (Electronic Sports League) は今年4月、アマゾン傘下のライブストリーム大手Twitchと、今後3年間コンペティションのライブストリームを独占的に行う契約を締結した。こうした流れから、オンラインによるゲームコーチングといった職業がコロナ後に増加するのではないかとも見られている。

ギグ・ワーカーの前に立ちはだかる厳しい現実

 つまり、独立系で能力や技術のあるギグ・エコノミーはコロナ後に継続し、あるいは現在より隆盛を迎える可能性があるが、一方で特別なスキルを必要としないギグ・エコノミーは今後衰退する可能性がある。

 数の面だけでは増加しているデリバリー系の仕事も、個々のワーカーにとっては厳しい状態なのだという。米国の失業率は5月に14.7%に膨らんだが、それによりデリバリー系の仕事を求める人が急増した。これまでライドシェアやデリバリーで生活できていた人々が、新たなワーカーの参入により過当競争にさらされているという。

 ただし、こうした競争の激化は独立系にも該当する。グーグルやアップルなどが今年一杯のリモートワークを打ち出しているが、自宅勤務で時間のできたこうしたスキルの高いワーカーが、独立系に進出する可能性があるためだ。

 すでにシリコンバレーのベンチャーキャピタルはこうした傾向を予測し、アプリベースの起業への投資割合を高めている。能力とアイデアがあればギグ・エコノミーは成功するが、それ以外は淘汰される厳しい現実がギグ・ワーカーの前に立ちはだかっている。(ビジネス+IT)

収入を得ようと不得意な分野だったりやりたくないことを副業としても結局続きません。大事なことは続けることなので、やりたいこと、少なくとも自分が興味を持ったりストレスなく続けられることを最初は始めると良いと思います。

なので最初は収入等意識せず本当に自分な好きなことを行い、それを発信して、そして発信し続けることにあるかと思います。

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