「日本を進化させる生存戦略」21施策

◇石井啓一国交相「具体化へ磨き上げを」
国土交通省の若手職員が2030年を照準に「タブーなき」新たな政策立案にアプローチする省内ベンチャーが30日、最終報告を行った。「日本を進化させる生存戦略」と銘打ち、計21の施策を提案。各担当者が石井啓一国交相ら同省幹部にプレゼンテーションした。石井国交相は「大変ユニークで意義深い内容だ。具体化につながるよう磨き上げてほしい」と呼び掛けた。
最終報告では今後の人口減少や技術革新といった社会構造の転換を見越し、提案した計21施策に共通するテーマとして「都市も地方も個人も組織も失敗から学び、挑戦を続け、課題を直視し、進化・適応する社会へ」と設定した。
提案した施策の一つが人口減少を前提とする予算や税制の見直し。人口が減っている中でも必要以上の地方自治体の公共サービスに国費が投入されている可能性を指摘し、国費の投入規模を最小限にとどめるべきだとした。
新技術を活用した成長分野の事業活動を活性化させる施策も提案した。大都市圏の中に海外高度人材が集まる最先端の研究機関を新設し、海外高度人材向けの住宅・生活環境も整備する有効性を訴えた。
最終報告を受けた石井国交相は「今回の議論を通じ(一人一人が)成長を実感できていれば最も大きな成果だ。皆さんが活躍することを期待している」とエールを送った。毛利信二事務次官は「リアリティーを追求し期待以上の内容を出してもらった」と述べ、森昌文技監は「頭を柔らかくして考えることが大事だ。こういう活動を後輩につないでほしい」と語った。
省内ベンチャーは計137人(本省34人、地方出先機関103人)の若手職員(平均年齢34・7歳)で構成。昨年10月に発足して以降、本省メンバーが地方出先機関に赴き、地方ならではの課題も最終報告に反映させた。170を超える有識者や団体への聞き取り調査も行った。議論の途中経過は昨年12月に立ち上げたフェイスブックで2日ごとに最新情報を発信し、今月5日時点で閲覧数の合計は15万回に上るという。
《提案施策の一覧》
▽人口減少を前提とした財政需要モデルに基づく予算・税制の見直し▽インフラ老朽化の度合いや経済データ等のオープン化▽完全自治に基づくゼロからの規制づくり(ゼロベースエリア)▽立地の観点を踏まえた住宅・土地税制等のメリハリ化▽中心部のタワーマンションの円滑な更新等の公的位置付けの明確化
▽外国人の居住等における制約条件の緩和促進▽日本語学習等支援の抜本的強化▽大都市における課税による交通需要制御と公共交通の機能強化▽都市遊休空間を活用した立体交通拠点(CTS)▽自動運転の世界に先駆けた普及と効果最大化のための空間整備▽近未来生活総合実現プロジェクト▽XーPrize型技術開発によるインフラ維持管理の完全自動化▽インフラ老朽化対策のための専門技術部隊の直営化
▽世界と戦える「質の高い」集積の形成▽デジタル世代の社会参画機会確保による帰郷機運の醸成▽すべての世代に向けた都市生活コンテンツへの投資の加速▽ギグエコノミーによる個人の自由な意思に基づく公共貢献▽キャッチアップ型から失敗を前提とした探索・検証型政策立案▽効果的な危機管理対応のためのアジャイル文化の組み込み▽実効性を担保したアジャイル組織の創設▽アジャイルな政策立案を効果的に行うための人材の育成・活用。(日刊建設工業新聞)

Leave a comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


Instagram Slider