趣味でちょっと稼ぐ

おカネにならない趣味と思っていても、簡単な資格を取れば仕事が回ってくるし、ネットを使えば個人売買でリスクなく利益を得られることもある。儲けは薄くとも、好きなやり方で人生を楽しもう。

専門知識がなくてもOK

「退職金を元手に、料理が得意だからと飲食店の経営をしたり、株をやっていたからと資産投資に挑戦しようとする気持ちはわかりますが、私の知る限りではほとんどうまくいったためしがありません。

家族との幸せなセカンドライフを思い描くのであれば、趣味を活かしつつ、いくばくかのおカネを稼ぐほうが、はるかに合理的な選択だと思います」(ファイナンシャルプランナーの高伊茂氏)

長年の会社員生活にピリオドを打ち、やってきた悠々自適の日々。老後資金は十二分とはいえないが、いまさら再就職先を探し、再びネクタイを締めて毎日早起きするのは気が進まない。

かといって、事業や投資に失敗すれば、家族ごと路頭に迷うことになりかねない。ある調査によると、飲食店は2年以内に約50%が廃業すると言われている。安易に手を出せば地獄を見るのはあきらかだ。

それならば、自分の趣味を有効活用してちょっと稼ぐ、いみじくも「好きこそものの上手なれ」の精神で生活するほうが、より充実した人生を送ることができるのではないだろうか。

「現役時代からお酒が大好きで、次の日の仕事の活力になっていましたが、定年後、昼から酒を飲んでいれば妻から白い目で見られるし、人付き合いも悪くなる一方。このままではいけないと思い、唎酒師の資格を取ってみようと思ったんです」

こう語る60代男性はいま、デパートの日本酒コーナーでリカーアドバイザーとして週3日店頭に立ち、客にオススメの日本酒を紹介している。

唎酒師の資格は在宅で通信教育を受けるか、講習と試験をクリアすれば取得することができる。専門的な知識や飲食店経験がなくても合格できるので、酒を嗜む人にはもってこいの資格だ。

ちなみに合格率は80%と比較的容易。日本酒だけでなく、焼酎やワインなどそれぞれ専門の資格があるので、自分の嗜好に合わせて学ぶことができる。

アウトドアが趣味の人は、その知識や経験を活かし、ガイドを務めることでちょっとしたおカネ稼ぎができるだろう。

自然ガイドや山岳ガイドという資格がある。自然ガイドは高原や里山で植物や地形を解説し、山岳ガイドは登山道で登山者の安全な旅程をサポートする役割を担う。

特に山岳ガイドは急斜面を登ることも多く、相応の体力が必要になるが、受験に年齢上限はない。公益社団法人日本山岳ガイド協会が資格獲得の条件を発表しているので、詳細はパソコンで検索してみよう。ちなみに自然ガイドの資格受験料は2万円となっている。

釣りが好きな人は、フィッシングガイドという稼ぎ口がある。バス釣り普及を目的とするウェブサイト「ワールドフィッシングガイドサービス」では、NBC日本バスクラブに加入した釣りの知識が豊富なガイドを不定期だが募集していて、初心者向けに釣りを教える仕事が回ってくる。

外でアクティブに動き回るよりも、じっくりとモノを作ったり育てたりするほうが好きだという人も多いだろう。そうした手仕事をおカネに結びつける方法もある。

たとえば盆栽を育てるのが趣味であれば、スマホの個人売買アプリを使えば、思いもよらぬ高値で売却することができる。いまもっとも利用者の多い個人売買アプリは「メルカリ」。

リタイア世代にはハードルが高いように思えるが、無料で登録でき、写真をスマホでアップし、商品の説明文を書けば出品終了。売値もこちらで自由に決めることができ、あとはほかのユーザーが購入するのを待つだけだ。

実際の価格は盆栽の状態によってまちまちだが、2万円を超える盆栽が出品されることも少なくない。腕によりをかけて育てた「作品」が高値で売れれば、喜びもひとしおだろう。

盆栽と同様に、ガーデニングが日課という人も近ごろは多い。そういう人には、グリーンアドバイザーの資格を取ることをおすすめしたい。

「いまグリーンアドバイザーの資格を持っている人は、全国に1万人ほどで、65歳以上の方もたくさんいます。講習と試験がセットになっていますが、当日の勉強だけで合格できる可能性も十分にある。

園芸店やホームセンターで働くとき、1000~2000円の手当がつく場合があるほか、地域の園芸ワークショップなどで講師として活躍する場ができます」(公益財団法人日本家庭園芸普及協会の広報担当者)

盆栽やガーデニングが得意であれば、庭園の剪定などの仕事に結びつけることができる。

庭園の整備は地域のシルバー人材センターで募集があり、1回5000~6000円近くの金額を稼ぐことができる。少しでも稼ぎたい、という人はそちらの方面に手を伸ばしてみるのもいい。

レンタカー回収で旅行気分

男性ではなかなかなじみがないかもしれないが、手芸品を売ることも趣味で稼ぐ方法のひとつだ。地域のフリーマーケットやレンタルスペースを借りて売るのは手間やおカネがかかるので抵抗がある、という人はネットを使った売却を検討しよう。

ハンドメイドのフリマアプリでは、「minne(ミンネ)」がいまいちばん利用者が多い。前出の「メルカリ」のように、会員登録して自分が作った作品の写真を撮り、作品名や値段を自分で決めてネットにアップ。もしほかの登録者が購入すれば、手数料10%を引いた額が売り上げになる。

ミンネ事業部の中前結花氏は次のように語る。

「ミンネには現在、合計700万点の作品が出品されていて、ネックレスからテーブルなど、ジャンルはさまざまです。

65歳以上で出品登録されている方は約6500人で、なかには年間100万円以上売り上げている人もおり、創作活動を応援するシステムとしてご活用いただいているのでは、と考えています」

現役時代、機械製造などに携わった経験があれば、それを趣味として活かすこともできる。

たとえば地域のカルチャーセンターでは、子供向けにロボット教室を開講しているところもある。簡単な仕組みの歯車やモーターから、機械の原理を紹介していく。

また飛行機の整備補助など、ふだん触れられない機械を目の前で見られる、その道に詳しい人にはたまらない業務の募集が行われている。役所やシルバー人材センターの求人をこまめにチェックしたい。

近年の変わった稼ぎ方としては、レンタカーの回送ドライバーというものがある。レンタカーチェーンによっては、借りた店で返さず、旅先で車を「乗り捨て」られるサービスを実施しているところも多い。

その車を乗り捨て先で回収し、はじめに借りた場所まで運転して返却するのが仕事だ。

このレンタカー回送サービスを手掛けるメビウス21の林茂太社長は語る。

「基本的には、主要レンタカー会社からの依頼というかたちで、金額は1回につき4000円程度になります。現在、2500人ほどの方にご登録いただいています。

納期はありますが、それほどタイトではないので、途中で景色や食事を楽しむ余裕もあります。いろいろな車に乗る機会も増えるので、車好きの方にはおすすめできるのではないでしょうか」

好きなことで生きていく

特にこれといった趣味がない人でも、現役時代に培った技術やこれまでに磨いてきた特技を活かして、ちょっとしたおカネを得ることができる。

パソコンスキル不要、在宅ではじめられるのが賞状の代筆だ。「筆耕」と呼ばれる作業で、毛筆に自信があればシルバー人材センターで仕事を受けることができる。式典の多い3月、結婚式が増える6月は稼ぎどきとなる。

もうひとつオススメなのが、読書レビューを書く仕事だ。ネットでは、本や生活用品、家電製品やクレジットカードに至るまで、あらゆるモノのレビューや使用レポートを書き、依頼主に納品する仕事が募集されている。

代表的なレビュアー募集サイトのひとつが「クラウドワークス」だ。無料会員登録すると、さまざまな業者から180万件以上の依頼が寄せられている。

プログラミングなどの専門的な業務もあるが、仕事を検索する欄に「経験不問 レビュー」と入力すると、「ビジネス書モニター募集」「好きな映画レビュー募集」といった依頼が見つかる。

1文字あたりの文字単価で報酬が支払われることが多く、6000字程度で5000円前後になる。

ページ末の表では、ほかにも趣味でおカネを得る方法を掲載しているので、ぜひ参考にしていただきたい。

前出・高伊氏は言う。

「チャップリンが主演した映画『ライムライト』に次のような言葉が出てきます。

『人生に必要なのは、勇気と想像力と少しのおカネ』。定年後であっても勉強するのに遅くはないし、それまでのキャリアをゼロにして働いてもまったく格好悪いことではありません。

趣味を投資に転じるのは大きなリスクですが、あくまで少し稼ぐだけなら損もない。捉え方を変えることで、人生はどんどん楽しくなります」

会社をリタイアしたら、することがない――。そう悲嘆するのは早い。自分の好きなことであれば多少稼ぎは低くても、楽しく生き生きと働くことができる。せっかくのセカンドライフだからこそ、自由なやり方で人生を楽しもう。(「週刊現代」2018年6月9日号より)

 

 

今後は自分のスキルを売っていけるようになってくるので副業が解禁された職場も増えているので、メインの仕事をしつつ、自分の趣味から始めることで徐々に最適化されつつ、継続できるのではないかと思います。

 

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