豪労組連合会、ギグエコノミーを統制する組織の必要性を訴え

オーストラリアで、「ギグエコノミー」を統制する新たな組織が必要だとして、豪ニューサウスウェールズ州の労働組合連合会Unions NSWが全国的な呼びかけを始めた。同国の仕事依頼サイト「Airtasker」で、アスベスト除去が無資格で行われた労務の事例があったことを受けての動きだ。

Credit: Pixabay

Unions NSWが現地時間2018年3月9日に行った説明によると、Airtaskerに対しては、同サイトを通じて実施される労務の最低賃金を明示させるなど、いくつか規定改善の成果があった。一方で、「安全性と資格に関する深刻な懸念」の証拠も集まっているという。

これまで、アスベスト成形板の解体と処分の依頼がAirtaskerに掲載されたことがある。Unions NSWによれば、そのうちの1件は、アスベスト成形板5枚の撤去に対して支払われた賃金が50豪ドルで、支給された用具は防護用の安全マスク1つだけだった。

豪パースで配管工をしているAlec Sharland氏は、必要な資格や安全基準違反について指摘したところ、Airtaskerからサイト利用を禁じられたという。一方、AirtaskerのTim Fung最高経営責任者(CEO)は、現時点でSharland氏は同サイトに参加している状態だと話す。

Fung氏の言い分はこうだ。「Sharland氏が公開プロフィールで連絡先の詳細を明かしたことに対して、Airtaskerから何回か警告した。こうした公開は、Airtaskerのコミュニティのガイドラインに違反している」

Unions NSWのMark Morey事務局長は9日、ギグエコノミーは従来の規制が追いつかないペースで発展していると話し、専門の組織を設立して安全基準や資格の基準を守らせることが必要だとの見解を示した。

「Airtaskerの賃金や条件に関しては、多少の改善が見られる。だが、ギグエコノミーの中で設立される企業には、規制に関して『捕まえられるものなら捕まえてみろ』という考え方であるのが現実だ」と同氏は話す。

「ギグエコノミーに関する独立した組織を、次の労働党政権が設立するよう求める運動を、これから労働党大会までの間に行う。この組織は、ギグエコノミーを監視し、また労働組合と密接に連携して、最低賃金を下回らないことや、安全と資格に関する基本的な基準が守られるようにする」

さらに同氏は続ける。「この取り組みの主眼は、ギグエコノミーを自滅から救うことだ。無規制のこうした仕事に下限を設けないと、いずれは我々全員が巻き込まれることになる」

AirtaskerのFung氏は、同社が安全性を重視していると主張したうえで、現在は、電気・ガス・配管の工事資格のほか、Working With Children CheckやPolice Checkをはじめ、各種の資格や証明の確認を進めていると、声明で述べている。

「当社は昨年、Unions NSWと協力して、いくつかの安全指針を発表した。安全性に関する啓蒙を強化して、自らの権利と義務を人々に知ってもらえるよう、当社が講じられるさらなる措置について同団体と引き続き議論することを歓迎する」

また同社は、「規定を遵守し、この分野でベストプラクティスの先駆けとなれるよう、公正取引局、州の保険規制当局、法執行機関、Unions NSWや各地の労働組合連合会をはじめ、規制当局や各種政府機関らと協力している」とのことだ。

Airtaskerは、シェアリングエコノミーの仕事に従事する勤労者を対象とした個人傷害保険を、4月1日に始める。(COMPUTERWORLD)

 

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