フリーランスと会社員、働き方の根本的な差

企業に雇われることなく、自身の専門性や技能を提供することで報酬を得るフリーランス。時間や場所にとらわれない働き方として人気が高まっています。アメリカでは、インターネットを通じて単発の仕事を受注するフリーランス的な働き方が「ギグ・エコノミー」として注目されています。雇用されない働き方への関心は高まるばかりですが、その一方で新たな課題も指摘されています。

フリーランスと会社員の違いは?

近年、経済のデジタル化やシェアエコノミーの進展によって、インターネット経由で仕事を請け負うクラウドワーカーが拡大、いわゆるフリーランスという働き方が注目されています。

そもそも、フリーランスとはどのような働き方を指すのでしょうか。リクルートワークス研究所が行った調査では、フリーランスの定義を①雇用者のない自営業主もしくは内職であり、②実店舗をもたず、③農林漁業従事者ではない、としています。

同研究所が「全国就業実態パネル調査」(2018年)を用いて、フリーランスの人口規模を算出したところ、本業をフリーランスとして働いている人は就業者全体の4.8%に相当する約300万人、副業をフリーランスとして働く人も約140万人いることが明らかになりました。

従来は、仕事をしているといえば「会社員」のイメージが一般的でしたが、フリーランスと会社員は、いったい何が違うのでしょうか? 大きく3つの視点から、その違いを確認しておきましょう。

まず働き方です。フリーランスは、個人事業主として特定の企業に属することなく、さまざまな企業と契約を結び、単発の案件ベースまたは業務委託契約などを結んで継続的に仕事を請け負って働いています。いつどこで、どのようなやり方で仕事を行うか、自分自身で決めることができるため、時間や場所に縛られることなく、自由な働き方ができることが魅力の1つと言われています。

会社員の場合、「労働者」として企業と労働契約を結び、一定の労務を提供することで、給与を得ています。基本的に労働時間や就業場所が決められており、業務については使用者からの指揮命令を受けて働きます。ちなみに、正社員、契約社員、アルバイト、パートタイマーなどは、労働者に該当します。

続いて報酬です。フリーランスは、複数のクライアントと契約ができるので、多くの受注や単価の高い仕事を請け負うことでがきれば、それに応じて報酬が一気にアップする可能性があります。自分の仕事の成果が報酬という形で反映される点は、やりがいにもつながります。ただし、仕事がなければ報酬も減るため、経済面で生活が安定しないということも考えられます。

会社員の場合は、毎月安定した給与がもらえるという点で、フリーランスと決定的な違いがあります。また、月給以外に年に1~2回程度のボーナスが支給されるケースも多く、生活の見通しが立てやすいといえます。

ただし、一般的には、どれだけ成果を上げても、給与が大幅にアップすることは少なく、労働時間=給与という考え方が根底にあります。実際、時間あたりの最低賃金が法律で定められているため、成果を上げない場合であっても、労働時間に見合った給与がもらえる点がフリーランスと異なります。

社会保険は会社員とどう違うのか

最後に社会保険についてです。フリーランスは、個人事業主であるため、「労働者」に適用される「労災保険」と「雇用保険」がありません。そのため、仕事を原因とするケガや病気への補償が、原則としてはありません。失業という概念もないので、会社を辞めたときに退職者がもらえる失業手当も利用することができません。

健康保険については原則として「国民健康保険」に加入することになり、前年度の収入によって、健康保険料の金額が決まります。年金は「国民年金」となり、本人の収入にかかわらず、毎月の年金保険料が決められています。ただし、40年間年金保険料を納めても、年額77万9300円[平成30(2018)年度]のため、老後の生活に備えておく必要はあるでしょう。

会社員の場合、「労災保険」はもちろんのこと、所定労働時間が一定以上あれば「雇用保険」「健康保険」「厚生年金保険」がセットでもれなくついてくるため、通勤・仕事中だけでなく、私傷病で働けないときや会社を退職したときの失業手当など、手厚い保障でカバーされています。これらは事業主が保険料をかなり負担している側面もあります。

働き方が広がる一方で、フリーランスの課題も出てきています。最近、とくに問題に挙げられるのが「雇用類似の働き方」です。「雇用類似」とは、「雇用」と「自営」の中間的な働き方をする人で、外形的にはフリーランスや個人事業主、自営業者といった形態を取っています。

本来、フリーランスや個人事業主であれば、複数の取引先と契約ができるわけですが、特定の企業に仕事を依存して、実質的に労働者(企業と労働契約を結ぶ働き方)のような立場に置かれた人が増えています。

労働政策研究・研修機構の「独立自営業者の就業実態と意識に関する調査」(2017年)によると、1年間で仕事の取引先が1社しかない人たちが4割も占めています。労働基準法上の「労働者」であれば、労働関係法令などの保護の対象となりますが、こうした中間的な働き方をしている人については対象となりません。

労働基準法第9条では、「この法律で労働者とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう」と規定していますが、具体的に労働者の判断基準は、下記の2つを総合的に勘案することで、個別具体的に判断されるものとしています。1 使用従属性に関する判断基準
(1)指揮監督下の労働
 ①仕事の依頼、業務従事の指示等に対する諾否の自由の有無
 ②業務遂行上の指揮監督の有無
 ③拘束性の有無
 ④代替性の有無
(2)報酬の労務対償性
2 労働者性の判断を補強する要素
(1)事業者性の有無
 ①機械、器具の負担関係
 ②報酬の額
(2)専属性の程度
(3)その他
(出所)厚生労働省「雇用類似の働き方に関する検討会」報告書[平成30(2018)年]

特別加入制度の枠組みを拡大へ

労働基準法上の労働者に該当するか否かが争われた裁判例としては、研修医、映画撮影技師、大工、NHKの受信料集金受託者などがあります。

厚生労働省は、雇用と自営の中間的な働き方を「雇用類似」と位置づけ、労働法制による一定の保護を導入する方向です。また、フリーランスの仕事中のケガや病気を補償する労災保険の適用や契約ルールの法整備について、2019年夏にも有識者検討会議で検討する方針です。

現在、フリーランスで働く人には、仕事中のケガや病気に関する公的な補償がなく、自ら対策を取って事前に備えておかない限り、貯蓄を切り崩して生活費を補う事態にもなりかねません。

そこで検討されているのが、労災保険の特別加入制度の枠組みを広げることです。労災保険とは、労働者が仕事中のケガや通勤途上で事故に遭ってしまった場合の負傷・疾病・障害・死亡等に対して保険給付を行う国の保険制度です。

この労災保険には、特別加入制度という仕組みがあります。これは、労働者以外のうち、業務の実態や災害の発生状況からみて、労働者に準じて保護することがふさわしいとみなされる人に、一定の要件のもとで労災保険に特別に加入することを認める制度です。

特別加入できる範囲に、「一人親方その他の自営業者」があります。ただし、対象者となる範囲は、原則として労働者を使用しない個人タクシー事業者や大工、林業、医薬品の配置販売など、非常に限られています。

本来であれば、労災保険の保険料は100%事業主負担となりますが、特別加入については、個人で全額を負担することとなり、事業の内容によって保険料率が異なります。現行では、IT技術者やデザイナーなど、増加しているクラウドワーカーが加入できる余地がありませんが、対象者の枠組みを広げることで、仕事や通勤中の災害でケガや病気になった際に、療養給付や休業給付などが支給される可能性が出てきます。

「働き方改革」による働き方の多様化は、「雇用されない働き方」にまで関心を高め、政府も次々に検討会を立ち上げています。今後、さらなる実態の把握と議論が進められていくものと思いますが、その動向に注目していきたいところです。



自身会社で働きつつギグエコノミーで収入を得ている身としては、日本はまだ会社形態でないと大きな取引は難しいと感じています。ただ単発のウェブ制作やデザイン・ロゴ、または海外でこんな事例はないか、こんなことは開発できるか?といった問合せは少しずつ増えてきていています。

今は企業に勤めつつ、少しずつ自分なりの副収入を獲得するために模索している段階でしょうか。

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